今日は夏のような暑さ。
今年初、セミの声もきこえています。
今年も藍を育てています。
昨年、収穫した藍から、ゴマ粒よりも小さな種を地道に採取して蒔いた、二代目の藍です。
葉が青々と大きくなってきたので、刈り取って生葉染めをしました。

藍の生葉で絹を染めたことはありますが、綿は初めてです。
生葉染めは、綿や麻などの植物性繊維には染まりにくいとされていますが、今回は藍溶解剤とハイドロを使って染めてみました。
その仕組みを簡単に書くと、、次のようになります。(たぶん。。)
藍の生葉に含まれている色素は、インディゴの素になるインドキシルという成分。
インドキシルはブドウ糖と結合したインジカン(水溶性・無色)という形で存在しています(インドキシル+ブドウ糖=インジカン)。
藍の生葉を水を加えて揉んだりミキサーにかけたりすると、インジカンは共存していた酵素の働きで糖が離れ、インドキシルが溶出されます。
インドキシルが酸化されると、藍の色素インディゴ(水に溶けない)ができます。
ですので、インドキシルが溶出された液を繊維に吸着させ、空気に触れさせるなどして酸化させ、藍色に染めるのです。
ただ、、、木綿や麻のような植物繊維の分子はインドキシル分子を引き寄せる力が弱いため、動物繊維のように吸着しません。
むむむ。どうすれば。。。
藍の色素インディゴを吸着させれば染まるわけですが、インディゴは不溶性で、そのままでは染めることができません。
インディゴは、アルカリ剤と還元剤を加えると水に溶けるので、その溶液を繊維に吸着させた後、酸化させて染めます。
すくも藍で藍染め液をつくるのと同じです。
私の文系の頭では難しい化学の話で、、正しく説明できていないような気もしますが。
何はともあれ、藍の生葉でワタと手紡ぎ綿糸を染めたのでした。

生葉染めで、この濃度の綿を染めることができるとは。化学ってすごいです。。