肌理、マチエール。
- 2018.02.23 Friday
- 19:03
もう昨年末のことになりますが、横浜美術館で開催中の「石内都 肌理と写真」展を見に行きました。
ペンキの剥げた壁、身体に刻まれた傷跡、衣服の襞や解れ。
ヴィンテージプリント、荒々しい粒子。
そこには誰かの尊い時間が確実に在って、静かに、でも力強く語りかけていました。
肌理(きめ)が訴える力は、形や色が伝えるものと同じくらい強い、と私は感じます。
話は変わって、、
私が手紡ぎ木綿布に魅かれるのも、これと同じ感覚なんだと思います。
布好きなひとはたくさんいらっしゃいますが、色だったり、柄だったり、肌触りだったり、好きなポイントは色々あるはずです。
素材や布の地域性や歴史や物語に魅かれるひともいらっしゃると思います。
私の場合、、、たぶん、テクスチャー(マチエールといってもいいかもしれない)なのです。
無地でも生成りでも魅かれるのです。
手紡ぎの獣毛や真綿にも魅かれるのです。
それはいわゆるナチュラルとか、素朴とか、自然素材だからというのではなくて、たとえ化学染料であっても新井淳一さんの手掛けた布などはとても魅かれるのです。
なぜなら、、、布自体の表情が豊かだから。
生き生きとして、裂に命が宿っているように感じるから、なのです。
自分の「好きだ〜!」と思える布を正直に、突き詰めてつくろうと、今、模索しています。
糸の太さだったり、撚りの加減だったり、色具合だったり、要素は色々あります。
木綿自体の持つ存在感に依存する部分も多いけれど、自らマチエールを創り出そうと試すことは、木綿をもっと深く知ることにもなり、とても楽しいです。
糸からつくる布づくりならではの楽しみかもしれません。
強撚、mix綿のヨコ糸を織り込んだストール。
しぼの出方や重量感のバランスが難しい。。
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