マルテの手記からのお話

  • 2018.10.18 Thursday
  • 14:19

 

 

リルケの「神様の話」を読みました。優しい言葉で語られているのに、歴史や宗教など知識のない自分には届かず、長らく書棚の奥にしまわれていました。

 

今、再び(三たびかも)取り出して読み始めると、どういうわけか最後までスッと入ってきました。

 

 

 

先日、工房からの風で、鞍田先生と稲垣さんのトークを拝聴しました。

 

その中で印象的だった、天国の話。

 

 

人に見せるためではなく純粋に愛する人のために編み物の設計図などを美しく残していた女性のこと、インゲヤード・ローマン展のこと、「神様の話」の指貫の話、「マルテの手記」のレース編みの話・・・。

 

ここのところたて続けに読んでいた堀江敏幸さんの本にもリルケが出てきて、ベン・シャーンが「マルテの手記」の一節を引用して完成させた詩画集のリトグラフを過去の図録で眺めたりなんかしていたので、リルケと言う名前が出てきた偶然に驚きました。

 

 

リルケ、天国。

 

天国に行くためではなく、それ自体が天国。

 

ものをつくる人には、その人にしかわからない其々の天国があると思います。

 

 

自分がしている布づくりについて自問することも多々ありますが、今回のトークを聞いて、腑に落ちたような気がしています。

 

ワタや草木が時おり見せてくれる未知の表情に歓喜したり、先人に想いを馳せて時間旅行してみたり。

 

そして、、到達することも手に入れることも知ることもできない絶対的な何かと向き合う高揚感のようなものも根底にあります。

 

 

 

河井寛次郎の言葉

美の正體

ありとあらゆる物と事との中から見付け出した喜

 

 

トーク中もありましたが、ロダンの助手として手仕事を通して「物」と向かい合っていたリルケと、民藝の精神とには通じるところがあるのだということも興味深いです。

 

 

最近、「マルテの手記」を読み始めました。

 

最後まで頁を進めても、理解できるものではないかもしれません。

 

志村ふくみさんも旅行鞄には「マルテの手記」を入れていたそうで、「この本ほど私を虜にし、悩まし、絶望させ、今もまだその不安の中にいる。こんな本ははじめてだ。」と書かれています。(「晩祷 リルケを読む」)

 

 

ただ、今回のイベントでのお話は、まさに晩鐘のように、自分の中で静かに響いて余韻を残しています。

 

 

 

※工房からの風 director's voice で、「マルテの手記」について稲垣さんの素敵な文章や、箒の吉田慎司さんの考察も載っています。

 

 

 

 

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